アクリルは、柔らかさと肌触りの良さに優れています。ウールに似た風合いを持っており、短繊維やスパン糸などがなじみ深いでしょう。耐光性に優れ、染色堅牢度も良好です。
弾力性が良いという特徴をいかし、毛糸やニット製品の素材としても多く使用されています。商品の例としては、エプロン紐や手提げ袋の持ち手などが挙げられます。
ポリエステルは、化学繊維としての使用量・生産量がとても多く、プラスチックの原料としても使われております。ポリエステル繊維の大半はPET繊維で、PET樹脂などはペットボトルの原料にも利用されます。天然繊維に比べて多く流通しており、衣類などの素材として認知され、強度が高いのが特徴です。服飾用紐・くつ紐・ラッピングリボン・ミシン糸などにも多く使用されています。
綿は、天然素材の中でもっともポピュラーな素材です。吸水性が良く通気性も優れていて、肌着などに多く使われています。紐としては、水に濡れると強度が高くなることから「水糸」とも呼ばれています。タコ糸・荷造りロープといった昔からの使われ方のほかにも「オーガニック・コットン」といわれる、有機栽培の綿花で作られた繊維を使用した衣類や雑貨類などもあります。最近では、ラッピングの素材としても注目を集めています。
レーヨンは、木材パルプやコットンリンクなどを主原料として作られた再生セルロース繊維です。原料や製法に基づき、「再生繊維」「ビスコースレーヨン」「ビスコース」とも呼ばれています。天然の原料から再出されたセルロース繊維なので、地表や土中で生分解され自然に還る、環境に優しい繊維です。昔から人絹(人造絹糸)と呼ばれており、絹糸に似せて作られた繊維で、光沢があり肌触りや染色性は良いものの、色物は汗や水、摩擦に弱いという特徴があります。POPの吊り下げ用紐や、本のしおり紐、額縁の下げ紐、人形の材料など、一般的な組紐として多く使われています。
絹は、蚕の繭玉から取られる糸のことです。保湿・吸湿性に優れ通気性も良く、美しい光沢や滑らかな肌触りが特徴的な高級繊維として知られています。
高価な着物やネクタイ、その他の衣類にも多く使われており、組紐の材料としても使用されています。繊細な素材であるため、繊維素材の中では扱いが難しく需要が減少しつつありますが、未だに希少品として取り扱われています。
麻は、非常に古くから使われている歴史のある繊維です。
種類が豊富で、採取して加工する部分によって用途が異なります。
黄麻(ジュート)など硬い繊維の物は、包装用袋や荷造りロープなどに使用され、亜麻(リネン)や苧麻(ラミー)など柔らかな素材から作られる物には、衣類などがあります。